令和4年度 幼稚園自己評価結果
園の教職員の自己評価に合わせて、保護者の皆様にも評価を頂き、今年度の園運営や教育活動の総括と来年度の改善に向けての課題等まとめました。
1.園の教育方針(園経営、学級経営)
課題別自己評価 |
園関係者の評価と課題 |
☆本園の保育の目標とする幼児の姿
(1) みんなと仲良く(仲間)
(2) 健康な心と体(笑顔、元気、やる気)
(3) 自分で考えてやり抜く(自主性)
(4) 素直に感じ、表現する(心~創造性) |
一昨年3月から発生したコロナ禍から2年経過、コロナは現在収束しつつある。正月以降家庭での感染が広がり、園児の濃厚接触者の報告が相次いだ。園では園内感染者を出さないための環境を園児と共に工夫し、その上でマスク着用、三密を徹底し保護者の理解と協力のもと、2学期以降の行事は状況を見ながら、運動会は3回に分け人数を調整するなど分散参加とし、保護者に寄り添う形をとった。
そこには一昨年から培った子ども自身が考え、話し合い、協力し合って創る保育が日常的になり、仲間としての教師、援助者としての教師、指導者としての教師たちの子どもに対する信頼と自信からくる保育を楽しむゆとりが、行事も保育の一端であるという考えに変化してきたところにある。
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☆令和4年度の指導の重点目標 次の4点です。
1.自分から環境に関わって遊ぼう
2.健康で安全な生活の仕方を身に付ける
3.自分のことは自分でしよう
4.みんなで考えて自分たちでできる仕事は協力してやり遂げよう |
1.教育課程の編成と取り組み
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
既に作成している教育課程、指導計画を毎期見直し、反省評価し、状況に応じて変更を重ねてきた。今年度は新型コロナウイルス感染症の流行により地域との交流、園外保育、行事の見直し、変更等状況判断と先を予測した保育計画を柔軟に変更しつつ、反省評価し、重点目標を達成してきた。 |
コロナ禍で始まった令和4年度保護者参加行事・入園式・秋季運動会・発表会・参観日・卒園式は人数制限で行い、作品展は時間制限参加とした。そのうち運動会、発表会は欠席者のために複数回実施して喜ばれた。子どもだけの(親子)運動会、夏祭り等、その他の園内行事は子どもと教師で工夫して楽しめる内容を考えたことで、子ども達は益々自信を持って活動するようになり、教師も子どもを信じ、保育が楽しめるようになった。 |
2.保育の計画性
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
一昨年と昨年の教育課程と実践結果を見直し指導計画は学年縦割りで連携しながら園全体で子どもの興味に合わせて柔軟に対応できる形に改善してきた。コロナ禍3年目、昨年の反省と、評価を生かしながら行事も自然の中での生活を意識し遊びも雨水遊びから発展したピタゴラ、水鉄砲、植物栽培からワラ、野菜、草花など水と自然物に十分親しんできた。
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環境による遊びを中心にした教育は、子どもが満足できるまでやり遂げる時間空間と教師の子どもへの信頼が必要である。子どもの活動をより具体的にイメージし、明日につながる環境を考えて遊びの場を提供する。今年度はコロナの発生状況と予測に関する情報を収集、更に戸外での生活を中心に時期と形を変更しながら 子どもと教師が思いを共有し、目的に向かって共に働き楽しんだ。コロナが下火になった発表会、3月の卒園式、保護者会は子どものみマスクを外し屋内で開催した。
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3.保育の在り方 幼児への対応
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
幼児期は、発達差が大きく一律ではない。中には特別に支援の必要な幼児も普通に生活している。その中で全教師が連携を取り合い、視野を広げ、日々報告、反省評価し、一人一人の子どもの育ちや課題を確かめ翌日の保育に活かしている。又、クラス差や教師の経験の差に対して経験豊富な教員と一緒に指導に当たる等、連携を密にしてきた。
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自然の変化や自然現象に気付き、疑問を持ったり感動したりする教師の姿は子どもの刺激となった。環境により子どもの遊びや生活が違ってくる。
環境作りや子どもへのかかわりは、教師の感性や判断、気づきと創意工夫、実行力が必要である。特に今年度コロナ対応を意識し、戸外活動、青空教室、自然とのかかわり等を多く取り入れ、室内活動も極力開放的に空間をとる遊びや活動を意識してきた。特に自由な中にも衛生面での指導は重点的にしてきた。コロナは生きる力と生き方を学習できた。
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4.保護者への対応
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
コロナ禍で始まった今年度は保護者の理解と協力を得た上で子ども達には例年以上に意識して出来る限りの体験、経験をさせたいと行事なども「こどもだけの」と銘打って子どもと教師だけで行って来た。保護者は子どもが持ち帰る楽しい話を聞いてともに喜び、園からの準備のお願いを子どもに託して下さっていた。保護者アンケートからも教師達への労いの言葉は何よりの力となっている。
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コロナ社会では学校も含め、様々な行事や集会が中止となり、自粛一色となった。家庭訪問中止に続いて保育参観、総会、保護者参加の行事中止となる中、密にならない個別懇談のみ辛うじて行う事が出来た。しかし保護者には「こどもだけ」の行事に変更したことに感謝の言葉をたくさんいただき、教師には励みとなった。子ども達も大人がいない、子どもだけの社会で伸び伸びと生活し、教師の援助も見守る、共に楽しみ手助けする新しい理想的な形となった。その中で子どもの著しい成長が見られ感動した。
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5.保育教員としての資質
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
保育教員、職員が連携を取り合い、その子に合った援助を必要な時にしていくようにしている。又、保育の質は環境づくりと保育教諭の人となりで決まることから、毎日のミーティングで反省評価をできる限り行い、翌日の保育につなぐようにしている。又、研修にできるだけ参加し実践力を高めている。
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本園の保育形態は担任だけが自分の思い込みで子どもを判断しないで、問題が生じた時は多数の教師の目で確かめ、考えた上で判断し適切な援助ができるように努めている。又、経験によるクラス格差も子どもを多方面から見て指導助言することで、一人一人の個性を伸ばすことが出来ると考えている。しかし、毎日のミーティングがマンネリ化状態にあり、計画性、統一性が薄れがちである。子どもの主体性の育ちに対して中間管理職のマネージメント力が課題となる。
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6.地域とのかかわり、地域子育て支援
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
下記の地域交流活動
●が今年度は中止
○は新たに地域の援助、交流があったもの
◎は昨年度と同様に開催したもの
●老人介護施設4カ所の交流
◎夕涼み会は「子どもだけの夏祭り」に変更
○田植え・稲刈り、サツマイモなど栽培収穫
○山西団地移動図書(中央図書館出張)の利用(年長児)
※就園前保育、学童保育、教育相談、園庭開放等地域の子育て支援活動を行っている。
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今年度も地域の行事、施設訪問すべて中止となった。そのため、園内活動を十分に楽しむゆとりがあった。
今年度も団地からは御神輿の提供の申し出を頂いたもののコロナ感染症の流行拡大が最高値に達した時期でもあったため見送る事になった。
また地域の方々から何種類もの柑橘類や馬鈴薯など差し入れがあり、十分に食育を楽しむことができた。
5年度の園舎改築に当たり、隣接の団地には工事予定、進展状況などを知らせ、理解を得るようにしたい。
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7.研修、研究
取り組み状況 |
反省・評価・改善 |
•園内研修
外部から講師を招いての園内研修は叶わなかった。その分園内の話し合いが必要にも関わらず、教師のコロナ感染による人員不足による教員の労働のしわ寄せ等、職務を精一杯こなす事と、コロナ対策に追われた一年となった。
•園外一般研修
公的機関による研修、全国、県、中予地区 研修、学習会に極力参加しているが、今年度は全てリモート研修となった。園内で研修を受けられることで、参加しやすかったが、中には対面式研修での人間関係面での物足りなさもあった。
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公的機関、及び私立幼稚園研修が前半はほぼリモート研修となった。コロナ禍で認定こども園では学校が休校になっても医療機関に従事している保護者の子どもが一人にならない様、極力開けておくように依頼を受けて開所していた。園内研修でもこのような大変な時期に子どもを預かる仕事が社会を支える重要な役割を担っていることを確認しあい、勇気づけ合った。その中で「子どもだけ」の行事で子どもたちが喜び、笑顔いっぱいで楽しむ姿に教師としてのやり甲斐と学びがあることを確認しあった。このことが何よりの研修となった。情報交換の場として大切な時間である毎日の反省会の在り方については、問題点が見えてきた。
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★施設の利用
令和4年度は更にコロナのオミクロン株が変異し、幼児への感染率が高まった。
今年度は感染対策として保育園児を屋外遊ぎ場の第2園舎に分散して保育を行った。おかげでその時期は保育園児の感染者がいない状況が続いた。しかし、幼保連携型幼稚園の特質である幼稚園児との連携が取れず刺激が少なくなってしまう事から、コロナ感染が落ち着きはじめた12月頃から幼稚園に戻ることとなった。
今年度は『さんさんらんど』が完成した5月からは幼稚園児は頻繁に遊びに出掛け、思い切り体を動かして伸び伸びと遊ぶことができた。
3学期には、屋外遊ぎ場新園舎2階で絵本サークルの方のお手伝いを頂きながら、年中児は絵本の貸し出し、年少児は絵本サークルの方による読み聞かせが復活した。
◎会計面での監査は監査法人により既に終え適切であるという評価を頂いております。
学校評価 保護者アンケート結果報告(幼稚園のみ)
令和4年度保護者アンケートのご協力ありがとうございました。
幼稚園児398名中374名の方、94%の方のご協力を得ることができました。この結果は、今後の園の運営に活かしていきたいと思います。アンケートの内容が自分のお子さんの育ちの面で評価になっているものがありましたが、この時期の子どもたちは発達や成長の仕方がそれぞれ違います。他の子との比較ではなくて日々のお子さんの成長を見つけ、見守り、励ましてください。お子さんが園生活を楽しんでいる姿や、好奇心、感動の心、集団生活に必要な態度の育ちについては365名の方からA~Bの評価を頂いております。問題点については少数ではありますが個人的な思いもお書き頂いておりますので参考までに集約してお届けいたします。
0.
A |
252名 |
67% |
B |
103名 |
28% |
C |
15名 |
4% |
D |
3名 |
1% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
A |
264名 |
71% |
B |
100名 |
27% |
C |
9名 |
2% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
③友達と一緒に遊んだり友達の遊びに刺激を受けたりして共に過ごす楽しさを味わっている
A |
302名 |
81% |
B |
67名 |
4% |
C |
4名 |
1% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
④遊びや集団生活に必要な決まりを知り、守ろうとする態度がそだってきている
A |
260名 |
70% |
B |
108名 |
29% |
C |
5名 |
1% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑤さまざまな物事に興味関心を示し、知的好奇心や思考力、感動する心等が育ってきている
A |
302名 |
81% |
B |
69名 |
18% |
C |
2名 |
1% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑥自ら遊びを作り出す楽しさを味わい、幼稚園生活を楽しんでいる
A |
290名 |
78% |
B |
79名 |
21% |
C |
4名 |
1% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑦遊びの楽しさや達成感を味わい、自信を持って行動できるようになってきている
A |
256名 |
68% |
B |
108名 |
29% |
C |
9名 |
2% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑧集団の中で一人一人の幼児が自己を発揮し、互いに力を活かし合いながら共に学び合う様子が見られる
A |
250名 |
67% |
B |
114名 |
30% |
C |
6名 |
2% |
D |
2名 |
1% |
無回答 |
2名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
A |
237名 |
63% |
B |
117名 |
31% |
C |
11名 |
3% |
D |
5名 |
1% |
無回答 |
4名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑩人への信頼感や思いやりの気持ち、自己抑制力が育ってきている
A |
223名 |
60% |
B |
132名 |
35% |
C |
14名 |
4% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
5名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
A |
179名 |
48% |
B |
146名 |
39% |
C |
43名 |
11% |
D |
4名 |
1% |
無回答 |
2名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑫しっかり体を動かして遊び、体色が向上し、たくましさが育ってきている
A |
303名 |
81% |
B |
70名 |
19% |
C |
1名 |
0% |
D |
0名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
375名 |
100% |
⑬生命を尊重する心や自然を大切にする気持ちが育つ取組みがされている
A |
268名 |
72% |
B |
93名 |
25% |
C |
9名 |
2% |
D |
2名 |
1% |
無回答 |
2名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑭幼稚園は一人一人の幼児の育ちを保護者に伝えている
A |
191名 |
51% |
B |
140名 |
37% |
C |
31名 |
8% |
D |
9名 |
2% |
無回答 |
3名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑮園はコロナ禍の中、子ども達には最大限の体験をさせるよう努力し、保護者も理解できている
A |
309名 |
83% |
B |
53名 |
14% |
C |
10名 |
3% |
D |
1名 |
0% |
無回答 |
1名 |
0% |
合 計 |
374名 |
100% |
A |
230名 |
61% |
B |
111名 |
30% |
C |
23名 |
6% |
D |
6名 |
2% |
無回答 |
4名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
A |
98名 |
26% |
B |
156名 |
42% |
C |
96名 |
26% |
D |
21名 |
56% |
無回答 |
3名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑱コロナ禍で、後援会活動はほぼ中止状態であったが、保護者は関心が高く協力的である
A |
145名 |
39% |
B |
191名 |
51% |
C |
30名 |
8% |
D |
2名 |
1% |
無回答 |
6名 |
2% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑲幼稚園は教育目標や指導の重点についてわかりやすく伝えている
A |
211名 |
56% |
B |
145名 |
39% |
C |
13名 |
3% |
D |
3名 |
1% |
無回答 |
2名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
⑳教育方針や指導の重点は、幼児や家庭、地域の実態にあっている
A |
238名 |
64% |
B |
124名 |
33% |
C |
5名 |
1% |
D |
3名 |
1% |
無回答 |
4名 |
1% |
合 計 |
374名 |
100% |
★保護者アンケート考察
コロナ感染症3年目は、オミクロンBA5と変異し猛威を振るい、幼児そして教師にまで感染が拡大してきた。そのため
園は子どもの園内感染の予防に、より力を注ぐこととなった。しかし、教師たちは子どもの生活と幼児期に必要な体験と経験は何としても守りたいと様々な工夫を凝らし、行事も中止ではなく、形を変えて行うことに徹底してきた。そのためには、どうしても保護者には協力と理解を得ることが最大の条件となった。おかげで保護者の励ましと理解によって、全身全霊で子どもたちに対して必要な経験をさせるために力を注ぐことができた。しかし、このアンケートから保護者と教師のコミュニケーション不足が見えてきた。昨年は幼稚園の思いが伝わっていない意見が一部あったが、今年度はコロナ禍で工夫しながらの「こどもだけの○○」を称賛する保護者の声が多く聞かれ、教師たちの励みになった。コロナ禍で教師と子どもだけで創り上げた各種行事と保育は、子どもたちにとっては知恵と工夫、協力、満足、そしてやればできるという自信につながり、それは子どもの口から保護者へ伝わり、理想の親子像が感じられた。
1.行事について
2.要望・提案
◎隣接している山西団地には約300世帯の方が住まれています。各種行事の際や園児の送迎、団地の公園への寄り道などご迷惑をおかけしているにも関らず、今でもあらゆるところでご協力頂いております。団地の自治会の方と定期的に情報交換を行い、行事等の共催等コミュニケーションをとりながら地域の活性化を図っております。保護者の皆様にも子どもたちのためにご協力お願い致します。
特に毎日の送迎、行事時のお車の駐停車、スピードの出しすぎにはご注意、ご協力ください。
◎令和5年5月中旬より園舎改築工事のため年少、プレ年少、保育園児は屋外遊ぎ場での仮園舎生活となります。年少、プレ年少、保育園児は仮園舎で生活をしながら工事見学へ、年長、年中児は工事の様子を見たり、感じたりしながら『さんさんらんど』へ出かけて楽しむ生活となります。工事は半年の予定です。
工事予定や内容がはっきりしましたら、またお知らせ致します。ご協力お願い致します。