2008年1月16日 水曜日
昨日、こあら組の幼児が泣いて登園する姿を見ながら何だか切ない気持ちになり自分にもそんなことがあったような気がしてきました。そこで昨夜、私が三葉幼稚園に入園して始めての日のことを母に聞いてみました。もう16年も前のことです。こあら組はありませんでしたので、いきなり4月の入園式の翌日は一人登園になりました。とても悲しくて、心細くて、どうしていいか分からなくて「お母さんと離れたくない。」と泣いて母を随分と困らせたようでした。そんなことを思い出したことで、今日泣きながら登園してくる子には安心できる雰囲気を十分作ってあげよう。楽しみにしている子には、その期待に添えるよう、先輩の先生達に教わりながら、環境を整えました。4月のこあら組登園初日に小麦粉粘土を出していると、いつの間にか夢中になって遊んでいたことを思い出し、小麦粉粘土を用意しました。そして幼児が部屋に入ってきた時に一番目に付く所に置きました。案の定、不安そうに登園して来た幼児たちは、小麦粉粘土を見つけると、嬉しそうに寄って来て遊びを始めました。それをきっかけに歌や踊り、絵本の読み聞かせに機嫌よく参加する幼児たちに環境、特に落ち着ける空間の大切さを実感したのでした。そして、そんな中でもう一つの思いが私の中にこみ上げてきました。
昨年の4月、すみれ組の子ども達が入園してきた時、今のこあらさんと同じように不安で泣いて登園し教師が一日中抱いていた子や、教師にくっついて離れなかった子もいました。そんな子達が今ではすっかりお兄さんお姉さんになって、こあらさんの世話をしているのです。「給食が全部食べれるようになった子」「お友達におもちゃを貸してあげれるようになった子」「たくさんお話をしてくれるようになった子」などなど・・・。子ども達の成長がとても嬉しく、それをパワーに私達も頑張っていけるのです。
一方、3階ホールではいよいよ発表会の練習が本格的になり、子ども達の練習にも気合いがこもってきました。年中組では、子ども達が大好きな「おむすびころりん」のオペレッタをしていました。そこに出てくるおじいさん役の子ども達が、ダンボール箱にヒモを付けたものを背負って出てきました。「おむすびころりん」のおじいさんはおむすびを持って山に行くはず?あれは?舌切りすずめのつづらみたい。などと思いながら見ていました。古森先生も同じように思ったようで「あれはなに?」と質問されました。年中の先生は平然と「おじいさんはシバ刈りに行っているので、シバを採って入れるかご」と答えました。古森先生は、「山へ木を採りに行くおじいさんは”おいこ”を背負って行くのよ。」と言ってホールを出て行きました。そして、昼食後、事務所へ行ってみると、なんとそこには可愛い子どもの背にぴったりの”おいこ”が1つできていました。そのことをまだ子ども達は知りません。明日の子ども達の反応が楽しみです。
2007年12月20日 木曜日
2学期も残すところあと1日となった今日、登園して来た子ども達は寒さにも負けないで元気よく戸外で遊ぶ姿が見られました。年少児は先日、冬眠したばかりのカメに「春までおやすみ」と札を立てました。カメが落ち葉の布団にもぐって眠っているのを優しく見守る子ども達の瞳が印象的でした。
さて、今日、すみれ組では、明日が終園式で冬休みに入ってから新しい年を迎えるということで、一年の汚れをみんなできれいにしようと大そうじをしました。みんなでずっと遊んできたままごと道具を洗い場まで運んでお湯につけながら洗ったり、雑巾で床やロッカーや窓拭きをしたりしていきました。
「わたしはままごとをあらうー!」「ぼくはぞうきんがけする!」「スポンジかして!わたしがあらうね!」と次々に子ども達ははりきって役割分担を決めていました。
ままごとチームは裸足になってはりきって、温かいお湯にお皿や粘土べらをつけて次々と洗っていきました。「洗ったらこっちに干すんよ。」と友達同士で声を掛け合いながら普段、いつも遊んでいるおもちゃをきれいにしていきました。
雑巾がけチームは一列に並んで「ヨーイドン!」ど床拭き競争です。隣の友達とぶつかって顔を見合い、笑いながら何度も拭いていきました。ロッカーの中を拭くことも伝えると、進んで何人かの子ども達が拭いていきました。窓を拭きたいと進んで窓拭きをする子もいて、みんなでたくさんのお手伝いをしてくれました。
その間、教師は子ども達の手の届かない棚の上や窓のさんを拭いていきました。みんなのすみれ組はみんなの手でみるみるうちにきれいになっていきました。一生懸命にお掃除した後の充実感、みんなで働く喜びなどを集団生活の中で少しずつ感じ取っていってほしい、そして1年の終わりと新しい気持ちで新しい年を迎える日本人としての心情も残していけたらと思います。
2007年11月27日 火曜日
先日から幼稚園の園庭には紅葉した落ち葉が舞い散っています。先日の午後のことです。そんな落ち葉で子ども達を遊ばせてあげたいと私達教師は一つの場所に掃き集めました。そして今朝、園庭の落ち葉の美しさに気付いた古森先生はその掃き集めた落ち葉を見て「なぜ集めてしまったのか」と残念そうに聞かれたのでした。今朝の落ち葉は赤や黄色、緑と本当に色が一枚一枚違い、落ちていても見とれてしまうような美しさがありました。今日のあの自然が作ってくれたじゅうたんは今日しか見られないのですよね。『今しかできない体験を子どもたちにさせてあげたい』それこそ私達の目指す「心のある保育」であった事に気づかされた言葉でした。また、用意しなくても自分で遊びを見つけていく事のできる三葉の子ども達にとってよいと思ってした事であっても、やり過ぎは子どもの考える力を遮断してしまう事になるのです。古森先生の言葉を改めて見てみると自然に落ちた葉と集められた葉では色の発色も違い、周りの環境との合性も全然違って私自身驚かされました。幼稚園の今年の紅葉は本当に素敵で「京都に行かなくてもいいね」と教師達は見入っています。
今日はそんな赤い落ち葉をひまわり組のRくんが下先生に「先生、大好きだからお守りあげる」と手渡しました。後で聞いた話によるとK先生がRくんに並ぶのが早かったからとプレゼントした落ち葉だったことが判明しました。落ち葉をRくんにプレゼントした時「ありがとう!ぼくのお守りにするね」と言ってくれたと感動していたK先生はそれを知ってちょっと複雑な心境でしたが・・・。
今日はこあら保育がありました。昨日の人形劇がとても楽しかったとKくんは帰ってすぐにおばあちゃんに電話したそうです。自分の楽しかったことを他の人にも伝えて楽しい気分を分けてあげたいという気持ちがとても嬉しく、温かい気持ちになりました。また今日は素敵な紅葉を背景にあったかい焼き芋を食べて、みんなにこにこで帰っていきました。
2007年11月21日 水曜日
今日は朝から、子ども達が長いズボンを見せながら「きょうは、じょうばよね?ちゃんとながズボンはいてきたよ!」とはりきって登園して来ました。昨日から、乗馬に行く時の服装や馬を乗り下りする時に足を広げる練習、馬小屋に入る時の約束事を子ども達と話していました。そのことを覚えていて、お家の方にもちゃんと伝えることができたようでした。
そしてバスに乗って乗馬クラブに着きました。バスが馬小屋に近づくと、窓から馬が顔を出して子ども達を迎えてくれました。子ども達もそれに応えるように「おうまさん、こんにちはー!!」と手を振りました。
年少児はどの子も初めての乗馬で、楽しみな反面、緊張している様子も見られました。すみれ組では馬に乗る前に馬小屋見学をしました。丁度、馬がエサを食べている所で子ども達の目の高さのところに馬の顔があったために、馬小屋の入り口で少々戸惑っていましたが、教師と一緒に入っていくと安心して見ることができていました。間近で馬の顔を見た子ども達は「おうまさんの目っておっきいね。」「やさしそうね。」「はがすごい!おおきいは。かまれたらいたいね。」とよく観察していました。
いよいよ馬に乗ります。いつもはこわいものなしのS君は台の上に登ると「うわぁ、ドキドキする。」と言いながら待っていました。馬に乗るとどの子どももニコニコの笑顔で怖がらずに楽しめたようでした。S君は馬から下りてくるなり「馬の背中って気持ち良かったぁ!毛がチクチクして痛かった。それとね、背中と首が硬かったんよ。ぼくの首のうしろも硬いんよ。R君も硬いね。馬のここんとこ(首)なんで硬いのかな?ぼくのもなんで硬いのかな?」「それは骨があるからじゃない?」「そうか!ぼくのも骨か。馬にも骨があるんだね。ぼくと一緒やね。R君も一緒。」と友達の首や教師の首をさわりながら確認していました。人間にも馬にも背骨があって、首があって、みんな生きている同じ生き物なんだということに気が付いているようでした。
乗馬が終わった後、乗馬クラブの隣りの土手を歩くと、そこで畑をしているご夫婦に会いました。「こんにちは」とあいさつをすると笑顔で「こんにちは」と返して下さいました。そこの野菜は無農薬で野菜についている虫を一匹一匹捕るのだそうです。虫や鳥よけの風車やつるしたカンカンが風を受けて動いている様子やきれいに咲いたコスモスや菊の花など、すてきな自然にも触れることができました。バスの中でも楽しかったことや感じたことを子ども達はいっぱい話し合っていました。
ご家庭でも子ども達の話を聞いて、生き物や自然について考えてみて下さいね。
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